湘南T-SITEの「Stash」でかぎ針編みのワークショップに参加しました
6月24日(土)、ニードルクラフトショップ「Stash」のワークショップに参加しました。
作ったのは写真の「ハニカムポシェット」。上質なコットンヤーンとリバティープリントの組み合わせがなんとも可愛い作品です。
今回は当日の感想や私がワークショップに参加する理由などについて書きたいと思います。
《目次》
1.「Stash」ってどんなお店?
Stashのサイトには「リネンの生地や、糸、リボンやテープ、ボタンなどの手芸用品を扱う、湘南T-SITEにあるニードルクラフトショップです」とあります。
私は元々、姉妹店のムーリットやリネンバードが好きでときどき訪れていましたので、こちらにもいつかは行ってみたいと思っていました。
ですから、今回のワークショップの参加目的は「お店に行くこと」というのが一番。
そうして訪れたお店内は、上質なリネンや世界各地から集められた編み糸、こだわりの手芸用品が並んでいて期待通り。開放的で居心地も良く、はるばる(?) 行った甲斐がありました。
※お店の方に許可をいただいて店内の写真を撮らせてもらいました
棚やテーブル、商品が飾られたかごなども、商品に負けず劣らずおしゃれ。
手芸用品のセレクトショップとでもいいましょうか、チェーン展開している大手の手芸店と比べて、品揃えに強いこだわりを感じました。
バッグやアクセサリーなどの手芸作品のキットも販売されているのですが、どれも大人っぽくてセンスがいいんです。
手芸作品って下手をすると野暮ったくなってしまいますが、こちらの作品は手づくりの温もりが感じられながらも洗練されているなぁと思います。
2.当日はこんな感じで進行しました
まず、バッグ本体を編む糸選びからワークショップがスタートしました。
指定の糸はブルースカイアルパカスの「スキニーコットン」。柔らかくてもっちりとした弾力が感じられる綿100%の糸。Made in Peru (メーカーは米国)です。
色数が豊富で、売り切れていた色を除いても12色あったので、どの色にするか散々迷いました。
申込時にあらかじめ選んであった中袋の生地に合う色はどれかなあ、と糸のかせを取っ替え引っ替え布地に当てて選びました。
布地がカラフルで細かい柄だったので、濃い色の方が締まるだろうと選んだのは紺色。きれいな色がたくさんあったけれど結局ベーシックカラーを選んでしまいました。
選んだ糸を店長さんが糸巻き器で糸玉にしてくれている間に、私は講師の方と全体の手順や編み図などを確認。そしていよいよ編み始めます。
作り目の鎖編みをするところから、さっそく「鎖編みはきつめがいいとか緩めがいいとかありますか?」質問。
今回はネット編みなので普通のきつさがいい、と教えてもらい安心して進められました。
「スキニーコットン」は編みやすく、触り心地もいいので編んでて楽しい糸です。
寄って見るとZ撚りでしたので、かぎ針編みに向いた糸だと言えるでしょう。
ワークショップの最中は、ネット編みの際前段の鎖のどこに針を入れるのかとか、引き抜き編みはどこに針を入れるのかとか、終始確認をしながら編み進めていきました。
こうした細かいところで仕上がりの雰囲気が変わってくるので、確認ができるというのはいいですね。ワークショップならではの特典だと思います。
今回のワークショップは2時間半で本体を編んで中袋を縫うことになっていたのですが、私のスピードでは時間内に全て終わらせるのは難しかったです。
そこで、キリのいいところまで編み進んだらいったん休んで、中袋を縫うことにしました。
ここでもワークショップならではの特典が。ミシンのセッティングはお店の方に全てしてもらえたんですね。編むことになるべく多くの時間を取れるように、と配慮していただきました。
それから、中袋を縫った後のアイロンがけと紐通しもお願いしてしまいました。
こういうことって、道具を出したりしまったり、意外と時間を取るので面倒臭がり屋の私にとってはお願いできたのはストレスがなくてとても良かったです。
※毎回お願いできることなのかは確認を取っていませんので、気になる方は直接お店に尋ねてくださいね
実は今回のワークショップ、参加者が私一人だけだったのです。土地柄なのか、土日のワークショップは空いていることが多いそうで...。
そんなわけで、作っている最中は終始私のペースで進行しました。気になるあれこれを尋ねたり、雑談しっぱなし。
糸のこと、編み針のこと、ミシンのこと、糸のメーカーさんのこと、一人なのをいいことに聞きまくりました。ごめんなさい。
全体の3分の2くらいを編んだところで時間になりましたが、編み物についてはもちろん、それ以外の質問もたくさんできて、収穫も多く充実した時間となりました。店長の天野さん、講師の沼本さん、本当にありがとうございました!
作品は帰宅後、当日中に仕上げました。
3.なぜ私はワークショップに参加するのか
私が手芸関連のワークショップに初めて参加したのは、2009年の「北欧ニッティング・シンポジウム」でした。
この時は“ボスニアン・クロッシェ”(フラットクロッシェフック)やトルコの伝統的な縁飾り“オヤ”をもとにしたビーズの縁飾など、未知の技法を教わるのが目的でした。
果たして、新しい技法の習得は刺激的でとても楽しいものでした。
ところが、それとは別に思わぬ収穫があったんです。それがその後もワークショップに参加するきっかけとなりました。
ひとつは手芸のプロからの学びがあること。
もうひとつは他の参加者からの気づきがもらえることです。
私は子どもの頃から足掛け40年くらい、編み物に親しんできました。
長く続けているため、編み図があれば編むこと自体にあまり不自由はありません。今回のハニカムポシェットだってキットを買えば、それどころかウェブに掲載されている作品の写真を見れば作れたでしょう。
でも、まったくの自己流なので、一人で編んでいてはちょっとした不都合があっても気づかずに編み切ってしまったと思います。
例えば、北欧ニッティング・シンポジウムの時に先生に指摘されたのが「糸玉から常に十分な長さの糸を引き出しておくこと」です。
そんな当たり前のこと! と思う人もいるかもしれませんね。でもそれまでの私は、それを知らずに編み地から糸玉へと伸びた糸が常に張っている状態で編んでいました。
ですから、それを指摘されたときは、まさに目から鱗が落ちたようでした。大体のことは知っていると思っていた編み物の基本を教えられたのが、なんだかすごく得をした気分でウキウキしました。
プロには教わるものだなあ、と思ったんです。
そして、他の参加者の方と自分との違いが新鮮で、多くのことに気づきました。
例えば編み方の違いだけでも、超高速、一目ごとにきっちり糸を引く、毎段目数を数えて慎重に、と人それぞれ。
私は十段以上編み進んでから編み地を確認して数段前の間違いを発見、ということが珍しくなく、毎段目数を数える人がいるんだ、というのが驚きでした。
この経験からは、毎段数えるとまではいかなくても編目の確認はしたほうがいいな、と気づかせてもらいました。やっぱりこれも当たり前?でも、一人で編んでいては気づかなかったことでした。
4.まとめ
ワークショップは参加するたびに何かしらの発見や収穫があって、価値あるものだと思っています。
皆さんも、興味のあるワークショップを見つけて参加してはいかがですか?きっと新たな発見があると思いますよ。
ちなみに、今回私が参加したワークショップは7月7日(金)にも開催予定ですので、興味のある方はお店に問い合わせてくださいね。
(7月1日追記:クラスは満席になってしまったようです)
(7月25日追記:8月4日(金)、8月6日(日)の開催をショップのサイトで確認しました。)
韓国の編み糸メーカー「A.KNIT」の講習会&説明会に行ってきました。
「A.KNIT」は韓国に本社をおくファブリックヤーンのメーカー。社名は「A.KNIT STUDIO」です。
同社の代表が編み物作家ということで、「彼女が使いたい素材を求めて糸作りから始めた」というのがメーカーの起源だそう。
私もここの糸でリュックやバッグを編んだことがありますが、ズパゲッティなどと比べると軽く柔らかさもあり編みやすいんです。
※ズパゲッティの中にも軽くて柔らかい糸はありますが、糸の素材から生産するA.KNITと違い、糸玉ごとに品質が異なります
そのA.KNITの講習会と説明会が6月21日(水)に東京で開催されたので参加してきました。
また、同社では「CREATOR」を募集していて、その説明も聞けるというので興味津々で出かけました。
《目次》
1.まずは「講習会&説明会」について問い合わせと申し込み
今回の講習会と説明会の開催はインスタグラムで知りました。
A.KNIT STUDIOの日本法人A.KNIT JAPANは糸の販売からイベント告知までインスタグラムを使っているんですね。
商品の購入も質問もインスタグラムのダイレクトメール機能でやりとりします。
私はA.KNITの糸が気に入っていることもあり、内容の如何に関わらず説明会に行きたいと思っていたので、詳しい質問はせず、すぐに申し込みました。
質問したのは1点、「説明会とは何を説明する会なのか?」。回答は「糸の説明」ということでした。
講習会の方は特に質問はしませんでした。何を教わるにしても得るものがあるだろうと思ったからです。
2.「CREATOR」についても事前質問
CREATORの募集は説明会告知の前日にポストされていました。
「CREATORに弊社の商品のみ使用などの縛りはありません。代表とコミュニケーションがとれて、お互いに成長できる方であれば、どなたでも大歓迎です。」(A.KNIT JAPANインスタグラムより)
これだと具体的な活動内容などがわからなかったので、ダイレクトメールで2点質問をしました。
1.CREATORとはどんな活動をするのか
2.CREATORになるのに条件や審査のようなものはあるのか
これにはすぐに丁寧なお返事をいただきました。要約すると...
1.CREATORの活動とは:良い作品を作って、それをインスタグラム等でコンスタントに発表することが第一条件。
そして、編み物の楽しさを広く伝え、編み物業界そのものをもっと活発化させたいという同社の考えに共感し、自身も楽しんで作品作りができること。
2.CREATORになるのに条件や審査:今までに製作した作品から、A.KNIT STUDIOのクリエイターに向いてると思ったら面談する。
... ということでした。そして、今回の説明会に韓国からメーカーのディレクターさんがいらっしゃるので、作品を持参してほしいと告げられました。
3.そしてドキドキのイベント当日
そんなわけで、これまでに編んだ作品を携えて講習会と説明会に向かいました。私の作品は「クリエイターに向いてる」とみなされるのでしょうか?
会場は事務所として使っている都内のマンションの一室。まずは「説明会」からスタートしました。
A.KNIT STUDIOプロデューサーのリーさんが同社の製品のラインナップを説明し、手製のスワッチを見せてくれました。
そして、並べてあった商品の現物を手に取って「買いたい」「質問」など、直接リーさんに伝えるという感じ。
確かに糸の説明会だなー、とも思いましたが、むしろ「糸の直売会」といった方がイメージに近いかもしれません。
ちなみに、今回はセットで購入する場合は通常よりも若干お得な値段で提供してもらえました。私は単品でしか買わなかったのですが...
また、講習会は特に何かを作るわけではなく、現在制作中のもので疑問点があったら、講師の方に教えてもらえる、というスタイルでした。
残念ながら、特に疑問点がなかった私は講習を受ける機会がありませんでしたが、他の参加者の方は編みかけの作品を手にマンツーマンで教わっていました。
最後に、リーさんへの質疑応答。私は改めて同社のCREATORの活動について尋ねることにしました。「言われた通り作品もいくつか持ってきました」と。
ところが、こちらに関しては事前の質疑応答と若干の行き違いがあり、「作品を見て審査」ということはありませんでした。
リーさんには「『編み物を通して何かやりたい』と思った時にA.KNIT STUDIOに相談すれば、何か一緒にできるかもしれない」といった趣旨のことを言われたのです。
私は、まず「CREATOR」として承認されてから何らかの活動する、と思っていたのですが、そうではなくて、何か活動をしたい、となった時にCREATORとしての道が拓くべく協力してくださる、ということのようでした。
事前のやりとりで、「CREATOR」はアンバサダーのようなものなのかな、と想像していたのですが勘違いをしていたみたいです。
私は今のところ具体的に商品を販売するとか、教室を開くとか計画をしていないので、相談のしようもない状況です。
一方、参加者の中には今後講師として活動したいという方がいて、他の参加者が退出後、リーさんと当日の講師の方とを交えて打ち合わせをするとのことでした。
「CREATORってどんな活動をするの?アンバサダーとは違うのかな?」と何となく考えていただけの私には、当然何も見えてこないし先もない。当たり前すぎますね。お恥ずかしい...
けれども「講師になる」というビジョンがあり実際に行動を起こす人などには道が拓けるんですね。
4.感想とまとめ
今回イベントは下調べや質問不足で臨んだため、正直イメージしていたのと違う、と感じた点も多かったです。もちろん、準備不足だった私に原因があります。
その上で、今後A.KNIT STUDIOの「講習会&説明会」に参加しようと思っている方、また同社のCREATOR活動に興味をお持ちの方の参考になれば、と私見を書きますね。
1.説明会とは糸の直売会のようなもの
これは「実際に糸を見られない通信販売は不安」という人で、開催場所へのアクセスが可能は人にオススメです。ただし、全商品が揃っているわけではありませんので、事前に確認してからの参加がおすすめです。
2.講習会とは質問会のようなもの
今回の無料講習会は「編み方に関してわからないことがあれば教えてくれる」ものでした。
事前に内容が告知されていませんでしたので、こちらも問い合わせが必要です。もっとも、内容も費用も告知されていなければ問い合わせるのが普通なので、ことさら書くこともないでしょうか(笑)。私は前日に問い合わせて内容を知ったので、「編み方の質問はありません」と伝えておきました。
3.「CREATOR」に定義なし
「CREATORの活動を縛らないのがA.KNIT STUDIOの方針」とリーさんがおっしゃっていました。
ですから、編み物を通してやりたいことが明確な方は、協力関係が築けるか相談してみてはいかがでしょうか?やる気がある人はサポートする、という雰囲気が感じられました。
私はアンバサダーのようなものを想像しましたが、そうではありません。
以上、書き連ねてしまいましたが、何か一つでもみなさんの参考になれば幸いです。
エコアンダリアが編みたくなる季節
新緑の季節を迎えると、いつもは棒針で編んでいる人も、かぎ針編みをしたいなぁと思ったりしませんか?
私は春夏になると綿や麻の糸などで小物を編む機会がぐんと増えます。
手芸店を覗いても綿や麻などの糸がメインになりますね。いくつものメーカーから新作糸が売り出されているのも、編物ごころをそそります。
そんな中、どこのお店にも置いてあると言っても過言ではないのが老舗メーカー「ハマナカ」の「エコアンダリア」。綿でも麻でもありませんがロングセラーの春夏糸です。
今回は「ハマナカ」の「エコアンダリア」について少し書きたいと思います。
《目次》
1.「エコアンダリア」ってどんな糸?
エコアンダリアとは...
(ハマナカ ウェブサイトより)
参考:http://hamanaka.jp/topics/ecoandaria
60年近くに渡るロングセラーとはすごいです。ちょっと驚いてしまいました。
糸の特徴は上にもあるように、軽くてサラサラというのに加えて色が豊富ということでしょう。
ソリッドカラーが54色、かすり染が12色もあります。また、かすかに光沢があるのですが、中には強い光沢のものも。
ベージュでナチュラルなラフィア風のものも編めれば、ネオンカラーでポップなものも編めてバリエーションに富んだ作品づくりができます。
2.「エコアンダリア」で何を編む? 関連書籍もたくさん
エコアンダリア関連の書籍は毎年発売されているのではないでしょうか?バッグと帽子の編み方を掲載した本が多いですね。
あくまでも私見ですが、昔はいかにも手作り風というか少し垢抜けない印象のものが多かった感じがしましたが、最近はかなり洗練されたデザインの編み方本が増えたように思います。
セレクトショップに売っているようなバッグや帽子が編めるんです。
私が素敵だなぁと思ったのは、次の2冊。
実際に編んで使ってみたいと思える作品がいくつもあります。おすすめなので、皆さんも機会があれば手にとってみてくださいね。
3.私も編んでみました
何年も前にバッグを編もうと思って買った糸が押し入れに眠っていました。(その時はデザインを考えて糸を買ったところで電池切れ...)
本番の作品を編む前に、糸の特徴を掴むための試作です。実はエコアンダリアで編んだことがなかったんです。
試作なので、小さなショルダーにしてみました。
う〜ん...。色が悪かったかなぁ。オーソドックスな形にしたのですが、なんだか垢抜けないですね。本番を編むなら本のデザイン通りにしたほうがいいかもしれません。私の場合は、ですが。
編んだ感想は、糸の撚りが一定ではないので、編み目をきれいに揃えるのは難しい(私には無理)ということが一つ。それ以外は特に編みやすくも編みづらくもありませんでした。
編み目のアップです。
目が揃いませんでした。
あとは糸割れに注意するということ。糸割れを起こしやすいわけではありませんので、慣れない方は気をつけた方がいいかなという程度です。
で、私が編んだバッグはちょっと持って出かけられるレベルではなかったのでカゴに作り直しました。
編み途中の糸を入れるのに重宝しています。
では、また。